第5回杏林大学保健学部 診療放射線技術学科卒後研修会

実施期間:2021年9月4日(土)
参加者数(概算):‌卒業生46名、在校生7名、教員14名、‌その他1名、合計68名

 9月4日(土)、保健学部診療放射線技術学科による第5回杏林大学保健学部診療放射線技術学科卒後研修会が開催されました。今年は井の頭キャンパスでの対面およびZoomによるWeb配信のハイブリッド方式を採用し、卒業生46名、在校生7名、教員14名、その他1名、総勢68名が参加しました。今年は本谷啓太学術奨励賞の初の表彰が行われました。この賞は2018年に逝去された故本谷啓太先生の功績を称えるとともに、若手診療放射線技師の育成に対する本谷先生の情熱を受け継ぐために設けられた賞であり、放射線業務や研究において優れた業績を挙げた卒業生が対象となります。栄えある第1回受賞者の熊谷優真君(2期生)による本谷啓太記念学術奨励賞記念講演「デジタルX線動画撮影における動きが及ぼす影響についての基礎的検討」は第77回日本放射線技術学会総会学術大会一般口述研究発表および優秀研究発表に選出された演題で、今回の講演はそれに解説と最新情報を加えたものでした。教育講演「検診マンモグラフィ認定について」は齋藤美樹さん(1期生)による検診マンモグラフィ認定取得にむけた内容で、当該認定の現状と認定試験攻略のポイントを分かりやすく説明していただきました。特別講演「乳房超音波検査」は東京臨海病院の藤井雅代技師長にご登壇いただき、乳房超音波検査の基礎から臨床まで詳しくご講演いただきました。どのセッションも非常に白熱した討論が行われ、参加者の関心の高さがうかがわれました。
報告者:診療放射線技術学科 森 美加

卒業生の声:遠藤祐太(診療放射線技術学科 2016年卒)
 2021年9月4日に第5回診療放射線技術学科卒後研修会が開催された。昨今の感染拡大の影響を受け、卒業生も各医療施設で多忙な業務をこなされていると思われる中、今年新たに社会へと進出した第五期卒業生も含め現地・オンライン会場ともに多くの参加者が見られたのは、一卒業生として大変嬉しいことであった。
 一つ目の講演は、本谷啓太記念学術奨励賞表彰ならびに記念講演であった。受賞されたのは、第2期卒業生で杏林大学医学部付属病院の熊谷優真氏で、第77回日本放射線技術学科総会学術大での口述発表と、当発表が大会座長より推薦される優秀研究発表に選出された功績を評価されてのものであった。講演では、受賞の決め手となった学術発表である“デジタルX線動画撮影における動きが及ぼす影響についての基礎的検討”について、研究と共に多くの臨床画像をご紹介頂いた。当発表で扱われたデジタルX線動画撮影装置が、現在世界的にも台数の限られる大変珍しい新装置であることもあり、その基礎検討に関する多くの学術的な質問や臨応応用に関する議論が闊達に行われた。
 次の講演は、教育講演として“検診マンモグラフィ認定について”という演目で、第1期卒業生の齋藤美樹氏がご講演された。検診マンモグラフィ認定は、マンモグラフィ撮影に従事する多くの女性診療放射線技師が取得を目指す資格とのことであった。認定制度や応募方法など、実際の試験対策について実体験を交えた非常に具体性のあるご講演を頂戴し、指導教員であった黒木一典先生からは“卒業後も認定や資格取得を含め多くの知識や技術を身に着け、自身の価値を高めていって欲しい”と卒業生へ激励のお言葉を頂戴した。
 最後の演目では、本研修会初の試みである招へい講演として、東京臨海病院技師長でいらっしゃる藤井雅代氏より“乳房超音波検査”について、超音波検査の基礎から多くの臨床画像を用いた様々な乳腺疾患まで幅広くご講演頂いた。また、超音波検査は、患者さんの傍で肌に直接プローブを当てて検査を行うため、検査のスキルはもちろん患者さんとの距離感や気遣いが特に重要であることを、ご自身の取り組みを交えてご教授頂いた。
 閉会の挨拶では、小池貴久先生より研修会の総括と、卒業生の活躍に対する喜びと期待のお言葉を頂戴した。私自身も、2年ぶりに開催された本研修会に参加して、卒業生の近況や活躍を感じ、非常に多くの刺激を受けるとともに、本研修会の意義を再確認することができた。ご講演頂いたお三方と、研修会を企画運営頂いた診療放射線技術学科の先生方に心より感謝申し上げます。